(Image is to be updated)

ニューヨークの冬は寒い、特に大きな山脈のないアメリカの東海岸側は、大西洋やカナダ、ときには北極からも、寒波がダイレクトにやってくる。

防寒用のダウンに代わることのできる、そしてこの凍てつく寒さの中でも耐えられる、新しいファッションをもっと楽しめないかと、大丸がいろいろな素材を試しているとき、ふとニューヨークの街中で目に入ってきたのが、カフェやデリカテッセンの軒先に掛けられてる天幕、いわゆるオーニング(awning)だった。


オーニングは年中雨ざらしだから、防風、防水、耐久性に優れている。また、グラフィックもおもしろいものが多い。ニューヨークならではの、PR戦略をしっかりと体現した商売っけのあるものから、キッチュで不思議なものまでいろいろある。ニューヨークという街の多様性がオーニングには反映されているのだ。


雨風にも強いこの素材を使い、RAGLAN、DOLMAN、SET-INという名の3型のコートをアトリエ内で創り上げたのがブランドの始まりだった。その後、ジャケット、シャツ、シンプルなデザインのコートも追加していくことになるが、すべてこの3型をベースに作られている。


OVERCOATのストーリーはこのオーニングから始まった。